インフルエンザ予防の鍵は“口の中”に?

口腔環境が免疫力に与える影響を歯科医が徹底解説**

冬になると猛威をふるうインフルエンザ。毎年のように流行し、学校や職場で集団感染が起こることも珍しくありません。
「手洗い・うがい・マスク」はもう常識ですが、実は――

口の中の環境”がインフルエンザの発症リスクに大きく関わっている

ということをご存じでしょうか。近年、医学研究や臨床現場でも「口腔ケアと感染症」の関連が強く注目されています。
この記事では、口腔内の細菌バランスと免疫機能の深い関係、そして歯科医院でのプロケアがどのようにインフルエンザ予防に役立つのかを詳しく解説します。

また、地域密着型の「西宮北口駅前歯科 ママとこどものはいしゃさん」では、子どもから大人まで感染症対策としての“口の中の健康づくり”に力を入れています。
いつもの歯磨きでは防げない細菌へのアプローチ方法もご紹介します。


なぜインフルエンザは冬に流行する?

インフルエンザウイルスが流行する主な理由は以下の通りです。

  • 〇気温と湿度が下がりウイルスが長く生存しやすくなる
  • 〇室内で過ごす時間が増え、飛沫感染が起こりやすくなる
  • 〇粘膜の防御力が低下する
  • 〇免疫力そのものが落ちやすい季節

しかし、最近注目されているのは、

「口腔内の細菌環境がウイルス感染のしやすさを左右する」という事実です。

冬はどうしても歯磨きが雑になりがちで、乾燥により唾液の量も減少し、口腔細菌が増えやすい状態になります。
これが、ウイルスが体内に侵入するサポート役となり、感染を助長してしまうのです。


口の中の細菌がインフルエンザに関わる理由

口腔内には約700種類、数百億〜数兆もの細菌が存在していると言われています。
この膨大な細菌の中には、善玉菌と悪玉菌が存在しており、バランスが崩れた瞬間、口腔内は一気に「感染しやすい環境」に変わります。

● ① プロテアーゼ(酵素)が粘膜バリアを壊す

歯周病菌などの悪玉菌が増えると「プロテアーゼ」という酵素を多く産生します。
これは鼻や喉の粘膜を傷つける働きがあり、ウイルスが侵入しやすい“穴”を作ってしまいます。

● ② 唾液が減ると免疫力が低下する

唾液は天然の“抗菌・抗ウイルスバリア”。
唾液中には以下の免疫成分が豊富に含まれています。

  • 〇IgA抗体
  • 〇ラクトフェリン
  • 〇ペルオキシダーゼ
  • 〇リゾチーム

口が乾燥し唾液量が減ると、ウイルスを洗い流す力も弱まり、感染リスクが上昇します。

● ③ 汚れ(バイオフィルム)がウイルスの付着を助ける

歯の表面に付く“ヌルヌル汚れ”=バイオフィルムは細菌の塊です。
これが呼吸時に細かく飛散するとウイルスの運び屋となり、喉への付着を助けてしまうことが分かっています。


科学的に証明されている「口腔ケアとインフルエンザ感染率の関係」

日本の高齢者施設で行われた有名な研究があります。

✦ **専門的口腔ケア(歯科医院での清掃)を受けたグループは、

インフルエンザ発症率が“約10分の1”にまで減った**

という結果です。

これは「歯磨きを頑張った」ではなく、

歯科衛生士によるプロケアを受けたかどうか が決定的だった点がポイント。

プロの施術では家庭の歯磨きでは落とせないバイオフィルムや歯石を除去し、
細菌量を大幅に減らすことが可能です。
これにより、粘膜バリアの破壊を防ぎ、ウイルスの侵入リスクが劇的に下がるのです。


子どものインフルエンザ予防にも「口のケア」が重要

子どもは免疫機能がまだ成長途中。さらに…

  • 〇歯磨きが雑になりやすい
  • 〇口呼吸が多く乾燥しやすい
  • 〇糖分摂取が多い
  • 〇風邪や感染症のループが起きやすい

という背景から、口腔環境は大人以上に不安定です。

鼻・喉・口の粘膜はつながっているため、口腔ケアはそのまま上気道の感染予防につながります。

とくに冬の園・学校での流行期には、
「いつもよりしっかり口をきれいに保つ」ことが感染予防の大きな武器になります。


西宮北口駅前歯科 ママとこどものはいしゃさんの“感染症予防としての口腔ケア”

当院では、単なるむし歯・歯周病治療にとどまらず、

「口腔環境から全身の健康を守る」

という理念のもと、感染症対策としての口腔管理を重視しています。

● ① 専門的クリーニング(プロフェッショナルケア)

歯科衛生士が専用機器を使い、

  • ・バイオフィルムの徹底除去
  • ・歯石の除去
  • ・歯肉溝のクリーニング

を行い、家庭のケアでは落としきれない細菌汚れをリセットします。

● ② 唾液検査とリスク評価

唾液量・細菌の種類・pHなどをチェックすることで、
感染症にかかりやすい口腔環境かどうかを分析します。

● ③ 子どもの口呼吸改善サポート

・姿勢
・舌の位置
・鼻呼吸の習慣づけ

これらが整うことで粘膜の乾燥を防ぎ、免疫力アップにつながります。

● ④ 家庭での予防方法の丁寧な指導

  • ・歯磨きの仕方
  • ・フロスの方法
  • ・口腔乾燥を防ぐための生活習慣
  • ・子どもが磨きやすくなる工夫

などを個々の生活スタイルに合わせて提案します。


今日からできる「口から始めるインフルエンザ対策」

以下の習慣は、すぐにでも取り入れられます。

● ① 夜寝る前の“丁寧なブラッシング”

寝ている間に細菌が最も増えるため、
夜の口腔ケアは1日の中で最重要。

● ② 水分補給で口の乾燥を防ぐ

“口の中が乾く=細菌が増える”
特に寝室の乾燥には注意。

● ③ 口呼吸を避ける

鼻で呼吸することで空気が加湿され、ウイルス侵入が減少します。

● ④ 舌の清掃

舌苔(ぜったい)は細菌の住処。
専用クリーナーで優しく除去。

● ⑤ 歯科医院でのプロケアを定期的に取り入れる

インフルエンザ流行前の秋〜冬に
“お口の大掃除”をしておくのは非常に効果的です。


口の中を整えることは“最高の予防医療”

口腔ケアは、単にむし歯を防ぐだけではなく、

  • 〇ウイルス感染の予防
  • 〇免疫力の維持
  • 〇呼吸機能の改善
  • 〇全身の健康リスクの低減

にもつながる重要な医療行為です。

「風邪をひきやすい」「いつも喉が弱い」「子どもが冬になるとすぐ体調を崩す」という方ほど、
口腔環境を整えることで体質が大きく変わる可能性があります。


西宮北口駅前歯科 ママとこどものはいしゃさんからのメッセージ

当院では、
「歯を診るだけでなく、身体全体の健康を守る歯科医療」
を理念としています。

インフルエンザが流行する季節は特に、
お子さま・大人の方ともに、口腔ケアの質が健康を左右します。

  • 〇すぐ熱を出す
  • 〇喉が弱い
  • 〇冬に体調を崩しやすい
  • 〇すでに感染予防を本気で強化したい

という方は、ぜひ一度ご相談ください。

「お口を整えることは、身体を守ること。」
これが私たちの考える予防医療です。