歯の根元がえぐれている…虫歯ではない「くさび状欠損」とは?

原因・症状・治療法・予防法を歯科医が詳しく解説

「歯の根元が削れたようにへこんでいる…」
「冷たいものがしみるけれど虫歯ではないと言われた」
「歯ブラシをすると歯の付け根が痛い」

このような症状で来院される患者様は少なくありません。

実はその症状は**「くさび状欠損(Wedge-shaped defect:WSD)」**かもしれません。

くさび状欠損は虫歯ではありませんが、放置すると知覚過敏や歯の破折、さらに歯を失うリスクにつながることもあります。

今回は、くさび状欠損について詳しく解説します。


くさび状欠損とは?

歯の根元がくさび形に削れてしまう状態

くさび状欠損とは、

歯と歯ぐきの境目(歯頚部)がV字型・くさび型に削れてしまう状態です。

虫歯菌が原因ではなく、

  • ・強すぎる歯磨き
  • ・歯ぎしり
  • ・食いしばり
  • ・噛み合わせ

など複数の原因が重なって起こります。


特に多い場所

くさび状欠損は

  • ・犬歯
  • ・小臼歯
  • ・前歯

によく見られます。

特に頬側(外側)の歯の根元が削れるケースがほとんどです。


虫歯との違い

患者様から最も多い質問『これってむし歯ですか?』というものです。

実は全く違います。

虫歯くさび状欠損
細菌が原因力や摩耗が原因
黒くなることが多い白色~黄色
柔らかい硬い
進行すると穴が深くなる徐々に削れる

見た目だけでは判断できないこともあるため、歯科医院での診断が重要です。


くさび状欠損の原因

① 強すぎる歯磨き

最も多い原因です。

ゴシゴシと横磨きをしている方は要注意です。

特に

  • 硬い歯ブラシ
  • 力を入れすぎる
  • 1日に何度も磨く

このような習慣があると、歯が少しずつ削れていきます。


② 歯ぎしり・食いしばり

最近では

最も大きな原因の一つ

と考えられています。

歯には噛むだけでも

約50〜70kg

食いしばりでは

100kg以上

の力が加わることがあります。

この強い力が歯の根元に集中すると

歯が少しずつ欠けてしまいます。


③ 噛み合わせ

噛み合わせのバランスが悪いと

一部の歯だけに負担が集中します。

すると

歯の根元が繰り返し曲げられ

少しずつ欠けていきます。


④ 酸による影響

炭酸飲料

スポーツドリンク

ワイン

柑橘類

など酸性の食品を頻繁に摂取すると

歯が柔らかくなり

摩耗しやすくなります。


こんな症状はありませんか?

□ 歯の根元がへこんでいる

□ 冷たい水がしみる

□ 歯ブラシが当たると痛い

□ 甘いものがしみる

□ 歯ぐきが下がったように見える

□ 爪で触ると段差がある

一つでも当てはまる場合は、一度歯科医院で診てもらうことをおすすめします。


放置するとどうなる?

「痛くないから大丈夫」

と思って放置すると、症状が進行することがあります。


知覚過敏

象牙質が露出することで

冷たいもの

歯ブラシ

などで痛みが出ます。


虫歯になりやすい

くぼみに汚れがたまりやすくなるため

虫歯のリスクも高くなります。


歯が割れる

欠損が深くなると

歯そのものが割れてしまうこともあります。


神経の炎症

重症になると

神経まで刺激が伝わり

根管治療が必要になるケースもあります。


診断方法

歯科医院では

  • ・視診
  • ・レントゲン
  • ・噛み合わせの確認
  • ・歯ぎしりのチェック
  • ・知覚過敏テスト

などを行い、

虫歯との違いを診断します。


治療方法

症状によって治療法は異なります。


① 経過観察

浅く

痛みもない場合は

削らずに経過を見ることがあります。


② レジン(白い樹脂)で修復

最も一般的な治療です。

削れた部分に

歯科用プラスチックを詰めます。

メリット

✅ 見た目が自然

✅ 1回で終わることが多い

✅ 痛みが少ない

✅ 保険適用の場合が多い


③ 知覚過敏の処置

症状が軽い場合は

知覚過敏抑制剤を塗布します。

これだけで改善する方も多くいます。


④ ナイトガード

歯ぎしりが原因の場合は

寝ている間に装着する

マウスピースを作製します。

歯への負担を軽減でき

進行予防になります。


⑤ 噛み合わせの調整

必要に応じて

噛み合わせを調整し

一部の歯への負担を減らします。


自分でできる予防法

やさしく磨く

歯ブラシは

毛先を当てる程度の力で十分です。

目安は

150〜200g程度

リンゴ1個分くらいの力です。


歯ブラシはやわらかめがおすすめ

「硬め」が必ずしもよく磨けるわけではありません。

やわらかめ〜ふつうを選びましょう。


正しい磨き方を覚える

横にゴシゴシ動かさず

小刻みに動かすことがポイントです。

歯科医院でブラッシング指導を受けるのもおすすめです。


食いしばりを意識する

普段

上下の歯は接触していません。

仕事中

スマホ

運転

家事

などで

無意識に噛みしめていないか確認してみましょう。


酸性飲料をダラダラ飲まない

スポーツドリンクや炭酸飲料を長時間かけて飲む習慣は、歯の表面を弱くしてしまいます。飲んだ後は水やお茶を飲んだり、少し時間を空けてから歯磨きをしたりすることがおすすめです。


定期検診が大切な理由

くさび状欠損は

初期には

ほとんど自覚症状がありません。

歯科医院で定期的に診てもらうことで

  • ・削れ具合
  • ・知覚過敏
  • ・歯ぎしり
  • ・噛み合わせ
  • ・ブラッシング圧

までチェックできます。

早期発見・早期対応により、大きく削れる前に進行を防ぐことができます。


西宮北口駅前歯科 ママと子どものはいしゃさんの取り組み

当院では、くさび状欠損の治療だけでなく、その原因までしっかりと確認し、一人ひとりに合わせた予防プランをご提案しています。

当院で行っている主な診療内容は以下の通りです。

  • ・丁寧な口腔内診査とレントゲン検査
  • ・知覚過敏の処置
  • ・コンポジットレジン(白い樹脂)による修復
  • ・歯ぎしり・食いしばりの診断
  • ・ナイトガード(マウスピース)の作製
  • ・噛み合わせの確認・必要に応じた調整
  • ・ブラッシング指導
  • ・定期的なメンテナンス

「歯の根元が削れてきた気がする」「冷たいものがしみる」「虫歯ではないと言われたけれど心配」という方は、お気軽にご相談ください。


よくある質問(Q&A)

Q1. くさび状欠損は自然に治りますか?

残念ながら、一度削れた歯は自然には元に戻りません。進行を防ぐためには原因への対策が重要です。

Q2. 必ず詰め物が必要ですか?

いいえ。症状が軽く、痛みやしみる症状がない場合は経過観察となることもあります。必要性は欠損の深さや症状によって異なります。

Q3. 子どもにも起こりますか?

大人に多い症状ですが、歯ぎしりや強いブラッシングなどがある場合には、お子さまでも起こることがあります。

Q4. 保険診療で治療できますか?

症状や治療内容によりますが、コンポジットレジンによる修復や知覚過敏の処置、ナイトガードの作製などは保険適用となるケースが多くあります。詳しくは診察時にご説明いたします。


まとめ

くさび状欠損は、虫歯ではなく歯ぎしり・食いしばり・噛み合わせ・強いブラッシングなどが複合的に関係して起こる歯の欠損です。

放置すると知覚過敏や歯の破折、虫歯のリスクが高まることがありますが、早期発見・早期治療によって進行を抑えることが可能です。

歯の根元のへこみやしみる症状が気になる方は、自己判断せず歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

西宮北口駅前歯科 ママと子どものはいしゃさんでは、原因の診断から治療、再発予防までトータルでサポートしています。大切な歯を長く健康に保つためにも、ぜひ定期検診をご活用ください。