乾燥する季節に急増！口の中の不快症状を防ぐための歯科的アプローチ
冬になると、肌や喉の乾燥を感じる方が多いと思いますが、実は「口の中」も同じように乾燥の影響を強く受けています。
空気の乾燥や暖房による湿度低下、マスク生活による口呼吸の増加など、さまざまな要因でお口の中の水分バランスが乱れ、むし歯・口内炎・口臭などの不快症状が急増します。
西宮北口駅前歯科ママとこどものはいしゃさんでも、冬になると「口が乾く」「唇が荒れる」「朝起きた時に口がねばつく」といった相談がぐっと増える季節です。
今回は、乾燥する季節に起こりやすい口腔トラブルと、その原因、そして歯科でできる予防アプローチについて詳しく解説します。
1. 乾燥する季節に増える“口の中の不快症状”とは？
冬に起こりやすい主なお口のトラブルは次の通りです。
① 口の乾き（口腔乾燥症）
唾液量が低下すると、口の中が乾燥し、ねばつきや痛みが出やすくなります。
唾液は本来、歯や粘膜を守る大切な働きを持っているため、減少するとさまざまな悪影響が現れます。
② 口内炎ができやすい・治りにくい
乾燥によって粘膜が弱くなり、小さな傷から口内炎が発生しやすくなります。
唾液の抗菌作用が弱まるため、治るまでに時間がかかるのも特徴です。
③ むし歯が増える
「冬になるとむし歯が増えやすい」というのは、実は乾燥が深く関係しています。
唾液の量が減ると、歯の表面を守る“再石灰化”や、菌を洗い流す作用が弱まり、むし歯菌が活動しやすい環境になってしまうのです。
④ 口臭が強くなる
口が乾くと細菌が急増し、特に寝起きの口臭が強くなる傾向があります。
舌に白いコケ状の汚れ（舌苔）が増えるのも、乾燥による不快症状のひとつです。
⑤ 唇・口角のひび割れ
“唇が乾燥して皮がむける”“口角が切れて痛い”といった症状も冬の定番。
マスクによる蒸れ→乾燥の繰り返しや、口呼吸が大きな原因です。
2. なぜ冬は口の中が乾きやすい？原因とメカニズム
乾燥の季節にお口のトラブルが増える理由は、主に以下の3つです。
① 空気の乾燥と暖房による湿度低下
冬場は湿度が30％以下の日もあり、外気も室内も非常に乾燥しています。
口を閉じていても、呼吸するだけで唾液が蒸発しやすくなります。
② 口呼吸の増加
鼻づまり、マスク生活、受験勉強やスマホ時間の増加で“口呼吸”が習慣化しやすくなっています。
口呼吸になると直接乾いた空気が口の中に入り、急速に水分が奪われます。
③ 睡眠中の唾液低下
夜間は生体リズムにより唾液分泌が減る時間帯です。
乾燥した寝室で眠ることで、起床時の不快感や口臭がさらに強くなります。
④ 水分摂取量の減少
冬は喉の渇きを感じにくいため、水分摂取量が夏に比べて極端に少なくなりがちです。
軽度の脱水が続くと唾液腺の働きも低下し、口内乾燥の悪化につながります。
3. 乾燥シーズンに役立つ“歯科的アプローチ”
では、乾燥による口の不快症状を改善するために、歯科ではどんなサポートができるのでしょうか？
ここでは、西宮北口駅前歯科ママとこどものはいしゃさんでも実際に行っているアプローチをご紹介します。
① 唾液量チェック・口腔乾燥症の評価
唾液分泌量を簡単に測定し、乾燥の原因を分析します。
ストレス・薬の副作用・口呼吸など、原因によって改善方法が異なるため、まずは状態を把握することが大切です。
② 専門的クリーニングで細菌をリセット
乾燥で増えた細菌をプロのクリーニングで徹底的に除去。
舌苔や歯周病菌のコントロールにも効果的です。
唾液量が減っている時期こそ、歯科の定期メンテナンスが特に役立ちます。
③ フッ素塗布・歯質強化ケア
歯が乾燥していると酸に弱くなり、むし歯の進行が早くなる傾向があります。
フッ素塗布や、歯の表面をコーティングする処置で歯質を強化することができます。
④ 口呼吸チェックと改善指導
- 〇口を閉じる力
- 〇舌の位置
- 〇姿勢
- 〇鼻呼吸の通り
などを確認します。特にお子さまは「お口ぽかん」のまま冬を過ごすと、歯並びや成長にも影響しやすいため早めの対策が重要です。
⑤ 保湿ジェル・スプレーの活用
口腔乾燥専用の保湿ジェルを使うことで、寝ている間の乾燥を大幅に防ぐことができます。
市販品もありますが、症状に応じて歯科で適切なタイプを選ぶと効果的です。
⑥ 口内炎の治療・粘膜の保護処置
繰り返す口内炎には、レーザー治療や粘膜保護剤の処方が可能です。
乾燥が原因のケースでは、保湿ケア併用で治りが早くなります。
4. 今日からできるセルフケア対策
歯科でのケアと合わせて、日常生活での対策もとても大切です。
① こまめに水分補給（常温の水・白湯）
少量を数回に分けて飲むと唾液腺の働きが活性化します。
② 加湿器で室内湿度を40〜60％に保つ
寝室の湿度管理が特に重要です。
③ 口呼吸にならないよう、日中・就寝時の工夫を
- 〇姿勢を正す
- 〇鼻が乾くときは鼻の保湿剤を使用
- 〇就寝時に口が開く場合は軽いサポートテープを活用
④ 唇の保湿は“油分のフタ”がカギ
ワセリンやバームで乾燥を防ぎましょう。
⑤ 舌のケアを優しく行う
舌苔が多いと口臭と乾燥が悪化します。
専用ブラシで軽くケアするだけでも効果があります。
5. まとめ：冬は“口の乾燥対策”が健康のカギ！
乾燥する季節は、お口の中の環境が乱れやすく、不快症状が急増します。
- 〇口内炎
- 〇口の乾き
- 〇口臭
- 〇むし歯のリスク増加
- 〇唇の荒れ
こうした症状を防ぐためには、毎日のケアに加えて、歯科での専門的サポートがとても効果的です。
西宮北口駅前歯科ママとこどものはいしゃさんでは、乾燥の季節に合わせたケアや、口呼吸改善、唾液量チェックなど、患者さん一人ひとりに合わせた対策を行っています。
冬の不快症状を放置せず、早めのケアで健康なお口を守りましょう。
