~アイスや冷たい飲み物が増える季節に気をつけたい歯のトラブル~

夏が近づき、気温が上がると、冷たい飲み物やアイスクリームが恋しくなる季節ですね。
しかし、そんな涼を楽しむひとときに「キーン!」と歯に鋭い痛みを感じることはありませんか?
それ、知覚過敏のサインかもしれません。
今回は、知覚過敏の原因や対処法、そして予防のための歯磨剤の選び方について、季節感を交えながらわかりやすくご紹介します。
これからの季節を快適に過ごすためにも、ぜひ参考にしてください。
知覚過敏とは?~「一瞬の痛み」でも注意~
知覚過敏(正式には「象牙質知覚過敏」)は、歯の内側にある「象牙質」が露出することで、冷たい・熱い・甘い・酸っぱいといった刺激が神経に伝わりやすくなり、「キーン」と鋭く一瞬痛みを感じる状態をいいます。
これは一過性の痛みで、持続することは少ないですが、何度も繰り返すうちに「また来るかも」と食べること自体がストレスになってしまう方もいます。
知覚過敏の痛みには以下のような特徴があります。
- ・冷たいものを口にした時に一瞬痛む
- ・歯ブラシが当たるとしみる
- ・甘いものや酸っぱいものでもしみる
- ・冷風や冬の寒風でも痛みを感じることがある
なぜ知覚過敏が起こるの?原因はさまざま
知覚過敏の原因はひとつではなく、以下のような要因が重なって起こることが多いです。
1. 歯のエナメル質がすり減る
歯の表面は「エナメル質」で覆われていますが、過度なブラッシングや加齢、歯ぎしりなどでこのエナメル質がすり減ってしまうと、内側の象牙質が露出します。
2. 歯ぐきが下がる
加齢や歯周病により歯ぐきが下がると、歯の根元が見えてきます。ここはエナメル質に覆われていないため、象牙質がむき出しになり、刺激に敏感になります。
3. ホワイトニング後の一時的な知覚過敏
ホワイトニングの施術後は、薬剤の影響で一時的に知覚過敏が起こることがあります。これは時間とともに軽減することが多いですが、個人差があります。
4. 歯ぎしりや食いしばり
就寝中の歯ぎしりや無意識の食いしばりにより、歯の表面が徐々に削れてしまうと、象牙質が露出しやすくなります。
5. 酸蝕症(さんしょくしょう)
酸性の飲食物(レモン、酢の物、炭酸飲料など)を頻繁に摂取することで歯の表面が溶け、象牙質が現れてしまうことがあります。
冷たいものがしみたら…まずは歯科医院でチェックを!
知覚過敏は虫歯と違い、自己判断が難しいことがあります。「冷たいもので歯がしみる」という症状は、虫歯でも起こりうるため、まずは歯科医院での診断をおすすめします。
また、知覚過敏だと思っていたら実は歯のヒビや歯周病が原因だったというケースもあります。
西宮北口駅前歯科でも、知覚過敏のご相談を多く受けています。一人ひとりの症状に合わせて、歯の状態をチェックし、適切な治療や予防ケアの提案をしています。軽度のものであれば、歯科専用の薬剤を塗布することで症状が改善することもあります。
知覚過敏のセルフケアには「歯磨き剤の見直し」が効果的!
知覚過敏の症状が軽度であれば、毎日の歯みがきを見直すことで痛みの軽減や予防が可能です。中でも注目したいのが、知覚過敏用の歯磨き剤の使用です。
では、どのような歯磨き剤が良いのでしょうか?
知覚過敏におすすめの歯磨き剤3選
ここでは、歯科医院でも推奨される代表的な知覚過敏用歯磨き剤をご紹介します。
1. シュミテクト(GSK)
知覚過敏ケアといえばまず思い浮かぶのが「シュミテクト」。
硝酸カリウムが神経の伝達をブロックし、しみる痛みを緩和します。種類も豊富で、ホワイトニング効果のあるものや歯周病予防タイプもあります。
おすすめポイント:
- 低刺激で使いやすい
- 継続することでしみる痛みを抑える
- ドラッグストアでも手軽に購入可能
2. メルサージュ ヒスケア(ライオン)
歯科専売の知覚過敏用歯磨剤として高い評価を得ている製品。硝酸カリウムと乳酸アルミニウムが両方配合されており、痛みの伝達を防ぐとともに歯の表面を補修します。
おすすめポイント:
- 歯科医院でしか手に入らない高濃度処方
- フッ素1450ppm配合で虫歯予防にも効果的
- 爽やかなミント味で使い心地が良い
3. PGSTOP(ピージーストップ)
こちらは西宮北口駅前歯科でも取り扱っている、知覚過敏・歯周病・口臭ケアの3つを同時にケアできる機能性歯磨き剤です。カリウムイオンと薬用成分がダブルで働きかけ、知覚過敏の痛みと歯ぐきの炎症を抑えます。
おすすめポイント:
- 知覚過敏だけでなく歯ぐきのケアにも優れている
- 刺激が少なく、毎日続けやすい
- 歯科医院でのアドバイスを受けながら使える安心感
知覚過敏を悪化させないための生活習慣
歯磨き剤だけでなく、日々の習慣を少し見直すだけで、知覚過敏のリスクをぐっと下げることができます。
● ゴシゴシ磨きはNG!やさしく丁寧にブラッシング
硬い歯ブラシで力任せに磨くと、エナメル質が削れてしまいます。柔らかめの歯ブラシを使い、軽い力で磨くのが理想的です。
● 歯ぎしり対策にマウスピースを
夜間の歯ぎしりを防ぐために、歯科医院でマウスピースを作ることも有効です。
● 酸っぱいものの摂りすぎに注意
レモンや炭酸飲料、ワインなどの酸性の強い食品は、頻繁に口にすると歯の表面を溶かしてしまいます。摂取後は水で口をすすぐなどの工夫を。
● 冷たいものの「ガブ飲み」や「かきこみ」を避ける
冷たいものを一気に口に入れると知覚過敏の刺激が一気に伝わります。ゆっくり飲んだり、ストローを使うなどの工夫も大切です。
まとめ:夏を快適に過ごすために、今からできる知覚過敏ケアを
これからの季節、冷たいものを思いきり楽しむためには、歯の健康を保つことがとても大切です。
「冷たいものがしみる」「最近しょっちゅう歯がキーンとする」という方は、まずは歯科医院でチェックを受けましょう。そして、日々のケアとして知覚過敏用の歯磨き剤を上手に取り入れることも、症状の緩和と予防につながります。
西宮北口駅前歯科では、患者さま一人ひとりの症状に合わせたアドバイスや歯磨き剤の提案を行っています。
気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
夏のしみる痛み、我慢しないで。早めのケアで、涼しさと笑顔を取り戻しましょう!