4歳・5歳でいつもお口がぽかん…実は危険!子どもが「口あいてる」口呼吸が歯並びと顔立ちに与える影響とは

「テレビを見ているとき、いつも口があいている」
「寝ているときに口がぽかんと開いている」
「何度注意しても、すぐに口が開いてしまう…」
4歳・5歳のお子さまを育てている保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
子どもの「お口ぽかん」は、かわいらしい癖のように見えるかもしれません。しかし、いつも口が開いていて口呼吸になっている場合、歯並びや顎の成長、顔立ち、お口の健康などに影響する可能性があります。
特に4歳・5歳頃は、お口や顎、顔が成長している大切な時期です。
今回は、子どもの「口あいてる」が気になる保護者の方に向けて、口ぽかんの原因や歯並び・顔立ちへの影響、家庭でできるトレーニングについて分かりやすく解説します。
「うちの子、いつも口あいてる…?」4歳・5歳に多い「口ぽかん」の原因
本来、リラックスしているときは唇が自然に閉じ、呼吸は鼻で行います。
ところが、テレビや動画を見ているとき、遊んでいるとき、寝ているときなどに、いつも口がぽかんと開いているお子さまがいます。
これにはさまざまな原因が考えられます。
代表的なものとして、
- ・鼻づまりやアレルギー性鼻炎などで鼻呼吸がしにくい
- ・唇を閉じる筋肉が弱い
- ・舌の位置が低い
- ・口呼吸が習慣になっている
- ・歯並びや噛み合わせの影響で口を閉じにくい
- ・姿勢が悪く、頭が前に出ている
などがあります。
特に注意したいのが、舌の位置です。
舌は何もしていないとき、上あごに軽く触れているのが理想的です。ところが、口呼吸のお子さまでは舌が下に落ちている「低位舌」になっていることがあります。
舌は食べたり話したりするだけでなく、成長期の上あごや歯列にも関係しています。
そのため、「ただ口が開いているだけ」と考えず、原因を確認することが大切です。
「口ぽかん」を放置するとどうなる?歯並びと顔立ちへの影響
歯並びが悪くなる?ガタガタの歯・出っ歯・受け口との関係
歯並びは、遺伝だけで決まるわけではありません。
歯は外側から「唇や頬」、内側から「舌」の力を受けています。この力のバランスが取れた場所に歯が並んでいきます。
ところが口が開いて舌が正しい位置にない状態が続くと、このバランスが崩れることがあります。
その結果、
・前歯が前に出る
・歯がガタガタに並ぶ
・上下の前歯が噛み合わない
・噛み合わせが深くなる
・上あごが狭くなる
などにつながる可能性があります。
「歯並びが悪いから口が開く」ケースもあれば、「口呼吸や舌の癖が歯並びに影響する」ケースもあり、両方が関係していることも少なくありません。
だからこそ、永久歯が生えそろってからではなく、4歳・5歳頃からお口の使い方を確認しておくことには意味があります。
顔立ちにも影響する?「アデノイド顔貌」とは
口呼吸が長期間続く子どもでは、顔つきにも一定の特徴が現れることがあります。
口呼吸との関連でよく知られている言葉が「アデノイド顔貌」です。
一般的には、
- ・口が開いている
- ・顎が小さく見える
- ・顔が縦に長い印象になる
- ・唇が閉じにくい
- ・下顎が後ろに下がって見える
といった特徴がみられることがあります。
ただし、口呼吸をしているから必ずこのような顔立ちになるわけではありません。 顔の成長には遺伝や骨格、鼻や喉の状態、生活習慣などさまざまな要因が関係します。
大切なのは、「顔立ちを良くするため」という美容面だけで考えるのではなく、鼻で呼吸し、唇を閉じ、舌を適切に使える状態を目指すことです。
むし歯・口臭・風邪のリスクが高まる理由
口呼吸が続くと、お口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には、食べかすを洗い流したり、細菌の増殖を抑えたり、酸性に傾いたお口の中を中和したりする重要な働きがあります。
しかし、お口がぽかんと開いて乾燥すると、唾液による自浄作用が十分に働きにくくなります。
その結果、
むし歯・歯肉炎・口臭などのリスクが高まる可能性があります。
また、鼻には空気中の異物をある程度取り除き、吸い込む空気を加湿・加温する役割があります。口呼吸では、この鼻の機能を十分に活用できません。
「朝起きたときに口がカラカラ」「口臭が気になる」「寝ているときに口が開いている」という場合も、一度お口の状態を確認してみましょう。
うちの子は大丈夫?「口ぽかん」危険度セルフチェック
「もしかして、うちの子も口呼吸?」
そんなときは、日常生活の中でチェックしてみましょう。
【口ぽかんセルフチェック】
- ☐テレビやYouTubeを見ていると口が開いている
- ☐ゲームや遊びに集中すると口がぽかんとする
- ☐寝ているときに口が開いている
- ☐いびきをかくことがある
- ☐朝起きると口が乾いている
- ☐食事中に口が開きやすい
- ☐クチャクチャと音を立てて食べる
- ☐食べるのに時間がかかる
- ☐鼻づまりが多い
- ☐唇が乾燥しやすい
- ☐前歯が出ているように感じる
- ☐舌が前に出る癖がある
- ☐姿勢が悪く、猫背になりやすい
いくつか当てはまったからといって、必ず問題があるわけではありません。
特にチェックしてほしいのは、**「どんなときに口が開いているか」**です。
テレビを見ているときだけなのか、食事中も開いているのか、睡眠中も開いているのか。
日中だけでなく睡眠中も口が開いている場合や、いびき・鼻づまりが強い場合には、歯科だけでなく耳鼻咽喉科などでの確認が必要になることもあります。
今日からできる!「口あいてる」癖を改善する予防とトレーニング
「口を閉じなさい!」
毎日のように注意している保護者の方もいらっしゃると思います。
しかし、子ども自身がわざと口を開けているとは限りません。
唇の力が弱かったり、鼻で呼吸しにくかったり、舌の位置が悪かったりすると、本人にとっては「口を開けている方が楽」ということがあります。
そのため、叱って無理に閉じさせるだけでは根本的な改善にならないことがあります。
まずは、なぜ口が開いているのかを確認することが大切です。
家庭で楽しく取り組める「あいうべ体操」
お口の周りや舌を動かす方法として知られているのが「あいうべ体操」です。
やり方は簡単です。
**「あー」**と大きく口を開く
↓
**「いー」**と口を横に広げる
↓
**「うー」**と唇を前に突き出す
↓
**「べー」**と舌を出す

ポイントは、無理をせず、親子で楽しく行うことです。
「トレーニングしなさい!」と言うより、
「ママと一緒に変な顔競争しよう!」
など、遊びの中に取り入れてみると続けやすくなります。
ただし、鼻づまりなどが原因の場合は、お口の体操だけで解決するとは限りません。症状が続く場合は専門家に相談しましょう。
歯科医院で行う「小児MFT(口腔筋機能療法)」の役割
口ぽかんや舌の癖が気になる場合、歯科医院では「MFT(口腔筋機能療法)」というトレーニングを行うことがあります。
MFTでは、
・舌を正しい位置に置く練習
・唇を閉じる練習
・正しい飲み込み方の練習
・お口の周りの筋肉をバランスよく使う練習
などを行います。
大切なのは、単に「口を閉じる練習」をすることではありません。
歯並びや噛み合わせ、舌の位置、唇の力、飲み込み方、呼吸、姿勢などを確認しながら、お口を正しく使う習慣を身につけていくことが目的です。
特に成長期のお子さまは、歯並びだけを見るのではなく、「なぜこの歯並びになっているのか」という原因まで考えることが重要です。
4歳・5歳の「口ぽかん」は早めのチェックがおすすめです
「まだ乳歯だから大丈夫」
「永久歯になってから矯正すればいい」
と思われるかもしれません。
しかし、4歳・5歳は顎や顔、お口の機能が成長している大切な時期です。
もちろん、口ぽかんがあるからといって、すぐに矯正治療が必要になるわけではありません。
大切なのは、
「口が開いている原因は何なのか」
「鼻呼吸ができているか」
「舌は正しい位置にあるか」
「歯並びや顎の成長に問題がないか」
を早めに確認することです。
お子さまがテレビを見ているとき、食事をしているとき、そして眠っているとき。
一度そっと、お口の様子を観察してみてください。
「そういえば、いつも口が開いているかも…」
と気づいたら、それがお口の成長を見直す良いきっかけになるかもしれません。
西宮北口駅前歯科 ママとこどものはいしゃさんでは、お子さまの歯並びだけでなく、口呼吸や舌の位置、お口周りの筋肉の使い方なども含めて、お子さまの成長に合わせたサポートを大切にしています。
「4歳だけど口ぽかんが気になる」
「寝ているときに口が開いている」
「将来の歯並びが心配」
という保護者の方も、気になる段階でお気軽にご相談ください。
子どものきれいな歯並びを育てる第一歩は、「歯」だけでなく「呼吸・舌・唇」の使い方を見ることから始まります。